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O157などによる腸管出血性大腸菌感染症の患者が増加!

全国の腸管出血性大腸菌感染症の報告数は129。今年初めて100人を超えました。
1年を通じて患者は発生していますが、特に初夏から初秋に多く見られます。

◆腸管出血性大腸菌感染症とは?
大腸菌は家畜やヒトの腸内にも存在しますが、ほとんどのものは無害です。
しかし、毒素を生み出し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群を引き起こす大腸菌は「腸管出血性大腸菌」と呼ばれています。
代表的なものとしてO157、O26、O111などがあります。
症状としては、全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々ですが、多くの場合はおおよそ3〜8日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病。さらに激しい腹痛を伴い、まもなく著しい血便となることがあります。これが出血性大腸炎です。発熱はあっても一過性です。

「腸管出血性大腸菌感染症は、いわゆる食中毒で、病原大腸菌が繁殖した食品を食べることなどで感染します。初夏から初秋にかけて流行するのは、細菌が増えるのに適した気温であることが主な要因です。食中毒は飲食店でも家庭でも起こる可能性があるので、食品の管理などに注意していただきたいと思います」と語っています。

◆家庭での予防法は?
腸管出血性大腸菌は、加熱や消毒薬により死滅します。家庭での予防の主な注意点は次の通りです。
・肉、魚、野菜等の生鮮食品は新鮮なものを購入する。
・冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる。
・冷蔵庫は10℃以下に、冷凍庫はマイナス15℃以下に。
・食品を取り扱う時は、その前後に必ず手を洗う。
・調理前の食品は室温に長く放置しない。
・加熱して調理する食品は十分に加熱する。目安は中心部の温度が75℃で1分以上加熱。
・残った食品はきれいな器具、皿を使って保存。
・温め直す時も十分に加熱する。目安は75℃以上。味噌汁やスープは沸騰させる。
・ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てる。決して口に入れない。

◆ふれあい動物園で感染することも!
また夏休みに家族連れでふれあい動物園などに行き、動物と接することがあると思いますが、そこで腸管出血性大腸菌に感染する可能性があります。
「腸管出血性大腸菌は、ウシ、ヤギ、ヒツジなどの蹄が二つに分かれている偶蹄目の動物の腸管にもいます
ふれあい動物園などでこれらの動物に触れる時は、その後必ず手を洗うことが重要です」と語っています。これまでにもふれあい動物イベント、搾乳体験などを原因とする感染事例が報告されています。予防法としては、
・動物エリアに飲食物、おしゃぶり、ぬいぐるみ、おもちゃ等を持ち込まない。
・エリア内では子どもに指しゃぶりをさせない。
・糞便には触れない。
・幼児には必ず監督者が伴う。
・動物を触れる際には爪を短く切る。
・動物エリアから出たらすぐに手洗いをする。
などがあります。

これから楽しい夏休み。感染症の予防もお忘れなく!